食の架け橋

 世界で最も有名なシェフの一人、アラン・デュカス氏に見出されたミシュランシェフ、エルヴェ・ビュセ氏。昨年3月に西村屋本館を訪問され、そのおもてなしと高橋悦信総料理長供する逸品料理の数々に深い感銘を受け帰国されました。
 そして今年5月末、ビュセ氏との更なる親交と兵庫県の姉妹都市であるフランス・アヴェロン県との『食の架け橋』構築を目指し、高橋総料理長はアヴェロン県コンク村のミシュランレストラン『ムーラン・ド・カンブロン』にて“日本料理の技とおもてなし”を披露しました。
 環境や食材の異なる地での奮闘を、現地の様子も交えてお伝えします。

 

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     三日間に渡るイベントも本日をもって無事終了です。

     初日22名、二日目18名、最終日44名と三日間計84名ものお客様にお越しいただき、

    そのほとんどのお客様がフランス人の方でした。

     連日多くのお客様にお褒めの言葉を頂戴しましたが、なかでも嬉しかったのが普段から

    パリの日本料理店で日本食を召し上がっておられるというお客様の「これまでに味わった

    ことがないほど新鮮で素晴らしい味わいだった」とのお言葉。心に染みわたりました。

イベント終了2.jpg     また地元アヴェロン牛のヘレを使った牛肉の西京味噌漬け焼きは、これまで食べた

    味わいと全然違って実に美味しい、といった感想を多くいただきました。

     当初は高橋総料理長の求める食材がなかなか集まらず、果たして当日はどうなることかと

    不安で一杯の日々でしたが、料理長はじめ皆さんの熱意と努力で、フランスのお客様にも

    お喜びいただけるお料理をお出しすることができました。

     また現地のビュセ氏やスタッフの皆さんのサポートも素晴らしく、盛り付けのヘルプや

    料理出しのタイミング確認など様々な面でご協力いただきました。この場をお借りして

    御礼申し上げます。

イベント終了3.jpg     そして最終日の三日目、なんとビュセ氏本人の誕生日ということが当日判明し、イベント

    終了後、急遽用意したバースデーケーキでサプライズパーティを行わせていただきました。

     シャンパンで乾杯した後、高橋総料理長からビュセ氏に日本より持参した柳刃包丁を

    プレゼント。ビュセ氏は大いに喜ばれ、その包丁で料理長直伝の魚のおろし方を練習する

    ことを約束してくださいました。

イベント終了4.jpg     そして最後はみんなで記念撮影。緊張と不安一杯ではじまった今回のイベントでしたが、

    終わってみればお客様にも大好評、また日仏両スタッフの絆も深まり『食の架け橋』は

    見事に築かれたことと思います。

     皆さん、本当にお疲れさまでした!


 

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    本日26日より3日間、フランスの一般のお客様向けにお料理をご提供させていただきます。

   できる限り新鮮な食材でご提供すべく、早朝より高橋総料理長自らロデーズの朝市へ。

   心配された新鮮な魚介類もなんとか調達することができ、その他フレッシュな地元の野菜や

   果実なども買い付けました。

    調理や盛付けにあたっては現地レストランのスタッフの皆さんに多大なるご協力を

   いただきました。厨房内はあまりの慌ただしさに人も言葉も入り乱れた状態で、言葉に

   おいては当初「ボンジュール」や「メルシー」などのフランス語しか話せなかった私達も、

   「ダコー(了解)」などいくつかのフランス語でコミュニケーションできるように。

    逆に現地スタッフの方の中には「すいません」などの日本語を話される方も現れたりと

   お互いを理解し、フォローし合う雰囲気が日々高まり、とても良い雰囲気となっています。

一般の方向けイベント4.jpg    今回のメニューはお抹茶とお干菓子のウェルカムドリンクにはじまり、梅酒の食前酒、前菜、

   先付、柚の香り漂う椀もの、向付。合肴は地元アヴェロン牛のフィレを使った粕漬け。そして

   中八寸、鱸の若狭焼、手打ちそば、平目・サーモン・海老の握り寿司と続き、最後はいちご

   大福と黒蜜がけの心太で終了です。

    お客様はお料理が目の前に運ばれる度にうっとりとした表情を浮かべられ、中には歓声を

   おあげになられる方まで。お味についてもご満足いただけている様子で、席をお立ちになられる

   際には「幸福な時間をありがとう」と皆様一様にお褒めの言葉をくださいます。大変ありがたい

   次第です。

    明日、明後日とお客様の数は増えていく予定ですので、より良いサービスをご提供できる

   よう引き続き頑張ってまいります!

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      本日25日、『ムーラン・ド・カンブロン』にて報道関係の皆様や地元レストランの

    シェフの方々に向けた日本料理のデモンストレーションを行わせていただきました。

      まずはご到着されたお客様にお抹茶とお干菓子で日本風のおもてなし。こちらは

    招月庭の浮田副支配人が和服に着替えて担当致しました。フランスでは珍しい大和

    撫子のお手前に、カメラマンの方も思わずレンズを向けておられます。

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      その後、キッチンでは高橋総料理長をはじめとする西村屋の料理人達による

    実演がスタート。日本料理の基本である昆布と鰹の出汁取りにはじまり、手打ちそば、

    海老そうめん、うなぎの蒲焼き、牛肉の西京味噌焼き、卵の出汁巻き、ひらめの握り

    寿司などなど、様々な種類の料理が次々と出来上がってきます。

      参加された皆さんは一様に真剣な面持ちで料理人達の一挙手一投足を見つめて

    おられましたが、試食の際にはとても素敵な笑顔で「セボン!セシボン!(おいしい)」と

    嬉しい言葉の数々をかけてくださいました。

      中には城崎温泉へのお越しを約束して下さる方も・・・今日までの疲れとプレッシャー

    が一気に吹き飛んだ至福のひとときとなりました。

      明日からの一般のお客様への提供に向け、大変はずみのついた一日となりました。

 

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プレスリリース2.jpg    本日24日は朝から実に多忙な一日でした!

    まず朝一でアベロン県のラジオ番組にお招きいただき、高橋総料理長と同行の西村

   常務がインタビューを受けました。今回のイベントのご紹介と共に、兵庫県や日本

   食文化についてもご説明させていただきました。

    その後、県庁に場所を移して県議長、副議長、ビュセ氏同席の元、プレスリリースを

   行いました。

    こちらもお二人での参加となりまして、お二人とも写真では涼やかな顔で平然として

   いますが、実は現地の方々の予想以上設営や歓待にかなり驚いていたとのこと。

    兵庫県と交流の深いアヴェロン県の皆様の多大なるご協力に、改めて心より御礼

   申し上げます。

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    そして午後には『ムーラン・ド・カンブロン』に戻り、ついに厨房で調理の準備にとりかかり

   ました。

    ホテルの外観からは想像もつかないほど現代的で洗練された厨房。この場所からミシュラン

   シェフ・ビュセ氏の魅惑の料理が生み出されているのですね。なんとも感動的です。

    ビュセ氏より厨房機器の説明をひととおり受けた後、日本から持ち込んだ食材と現地で

   調達した食材、それぞれの確認を終え、いよいよ仕込みの開始です。

    ついに目指していた舞台へとたどり着いた高橋総料理長一行。

    ここからが、本当の物語のはじまりです!

 

 

コンク村1.jpg    19日に日本を出発してから5日目の23日、一行はついに目的地・コンク村(Conques)に

   到着しました。

    ここコンク村はエルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地の一つ、スペイン・

   ガリシア州の『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』への巡礼路(ユネスコ世界遺産に

   登録されています)であり、また「フランスで最も美しい村」としても登録されている

   場所です。

    まるで中世の時代にタイムスリップしたかのようなその美しさ、写真をご覧いただければ

   一目瞭然ですね。

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    そしてこちらが宴の舞台となるエルヴェ・ビュセ氏のホテル『ムーラン・ド・カンブロン』です。

   美しくも風格あるレンガ造りの外観が村の景色にしっとりと溶け込んでいます。それもその

   はず、こちらの建物は18世紀の水車小屋をビュセ氏自ら改装されたものだそうです。

     建物を取り囲む豊かな自然とあいまって、一枚の絵画のような素晴らしい景色を生み

   出しています。

     ここ『ムーラン・ド・カンブロン』で高橋総料理長一行の奮闘がいよいよ始まります。

     どうぞお楽しみに!

 

 

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     高橋総料理長一行は、21日(土)早朝の飛行機でパリからアヴェロン県の県庁所在地

    ロデーズへと移動しました。

     空港では今回の現地サポート役をお努めいただいているアヴェロン県の副議長様に

    厚い歓迎をいただきました。

     その後、一行は現地食材の下調べのため地元の市場へと直行。そこには日本では

    珍しいハム・ソーセージをはじめ、チーズ、野菜、果物などなど、ありとあらゆる種類の

    食材が所狭しと並んでいました。

     中でも山積みになったアスパラガスは色つやも良く、とってもおいしそう!茹でたての

    シャキシャキとした食感とフレッシュな味わいを楽しみたくなってしまいます。

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     反面、山間の町ということもあり出発前から懸念されていた"新鮮な魚介"は見たところ

    皆無の状況・・・これでは会席料理に欠かせない『魚介のお造り』をふるまうことができま

    せん。

     果たして、予定した献立に必要な食材は全て調達できるでしょうか?

 

 

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    5月19日(金)、ついに高橋総料理長一行が舞台となる仏・アヴェロン県 コンク村に向けて

   旅立つ日がやって きました。

    夜の便で関西国際空港を飛び立つこと12時間、一行は無事フランスの玄関口、シャルル・

   ド・ゴール 空港に到着 目的地のアヴェロン県はフランスの中南部に位置し、パリからは

    電車で 10時間近くかかるため、 今回は飛行機 で県庁 所在地・ ロデーズに 向かいます。

    飛行機の出発は翌日の早朝ということで、その前に現地ではなかなか調達できない

    日本の 食材を 購入すべく、一路パリの 食料品 店へ向かいました。中へ入ると、 高額

   ながらも日本の 食材の 品揃えに一同びっくり!さすが 世界の食通が 集まるパリ、

   あなどれません。

      その後、現地でご協力いただくスタッフの方を交え、街中のブラッセリーで決起集会。

    本場の赤ワインを手に明日からの奮闘を期する一行なのでした。

 

 

フランスKTV取材01_修正済m.jpg    昨年5月、フランスから再びお客様がいらっしゃいました。ケーブルTV『チャンネル2』の

   取材クルーの皆さまです。

    今回、「日本料理」をテーマにしたドキュメンタリー番組を制作されるとのことで、

   その取材対象に西村屋本館をお選びいただきました。

    ここ数年、ヨーロッパをはじめ世界各国から数多くのお客様がお越しになられますが、

   海外のテレビ局からの取材は珍しく、日本食や伝統文化への注目が一層高まっている

   ことがうかがえます。

    番組のメインテーマである「日本料理」の撮影にあたっては、高橋総料理長を中心に

   調理部の面々が料理を作り上げていく様子を事細かに撮影しておられました。

    とりわけ、昨年3月に来館いただいたフランス人シェフ、エルヴェ・ビュセ氏にも好評だった

   "但馬牛の西京漬け"の調理方法や、焼きあがった但馬牛の美味しそうな香りに

   取材クルーの皆さんも興味深々!

フランスKTV取材03_修正済m.jpg    また「旅館での過ごし方」の撮影では、同行された日本人女性スタッフの方が大変

   お上手なフランス語でお客様役を演じておられました。プロデューサーのルドビック・

   ブールさんとのフランス語での闊達なやり取りに、内容はちんぷんかんぷんながらも

   その美しい響きにうっとりしてしまいます。

    その後、城崎温泉の美しい街並みや外湯を撮影されて取材は終了となりました。

    今回の番組を通して、より多くのフランスの方が「日本料理」や「日本の伝統文化」に

   興味を抱かれることを心から願いたいと思います。

    『チャンネル2』取材クルーの皆様、またのお越しをお待ちしております。

 

 

ビュセ氏1.JPG   皆さんはエルヴェ・ビュセ氏をご存じでしょうか?フランス・アヴェロン県コンク村にある

  ミシュラン一つ星のオーベルジュ「ムーラン・ド・カンブロン」。そのオーナーシェフがビュセ氏

  です。

   昨年3月、フレンチの巨匠『アラン・デュカス』氏の意向で来日したビュセ氏は、アヴェロン県と

  友好関係にある兵庫県を訪れ、その一環で西村屋本館にお越しになられました。

   当館の高橋悦信総料理長立ち会いのもと、松葉かに・但馬牛・こうのとり米をはじめとする

  但馬特産の食材の調理法を見学されたビュセ氏は、珍しい食材と料理人の手さばき・包丁

  さばきに見入っておられました。

ビュセ氏3.JPG   また翌日には高橋総料理長と会談し、自然を守りその恩恵を享受する但馬の食文化に

  ご自身が掲げられるコンセプトとの共通点を見出されているようでした。

   フランスと日本、異なる国・異なる文化であっても、自然やそれらが育む食文化をこよなく

  愛する人々の心に大きな隔たりはないのでしょう。

   高橋総料理長とビュセ氏の親交はここに始まりました。

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